フィッシュマンズ

大学生時代、冗長な一日を楽しめたわけではない。

 

よくありがちな、ソラニンの種田と芽衣子のようなぬるっとした生活は送ることができなかった。

留年した男達が集う部屋に出入りし、麻雀をやって安い酒をたまに飲み、訳のわからない話をして、アニメやゲームの話をして、ただのキ○ガイみたいな話をして楽しんでいた。

 

フィッシュマンズ

2011年の震災後だったかな…。Youtubeかドミューンか、生配信していたのをたまたま見たんだよな。

クラムボン原田郁子さん、七尾旅人氏がゲストボーカルで出ていた。

 

震災の犠牲者の黙祷から始まった配信は、なんだか不思議な空気のバンドだなと言う印象だった。

あとから調べたら、ボーカルの佐藤伸治はとっくの昔に死んでて、たまにこうやってゲストボーカルでリユニオンしているのだとか。

 

それでも、今は消されているけど奥多摩キャンプの映像を見たり、ライブ映像を見たりして佐藤伸治の、フィッシュマンズの世界はそこそこ好きになった。

タイプでは無いけど、音楽の好みとして好きだった。

 

 

そして今、再びフィッシュマンズを聞き始めている。

歌詞が素晴らしい。そんな大学生では無かったのに、力が無いことを受け入れながらもぬるっと生きることを受け入れた、大学2〜3年生の焦りのない幸せを感じることができる…。

 

どこか行くときは風を止めたい。

土曜日の夜

エブリデイ、エブリナイト、君を思う。

 

そんなぬるっとした部分、力の抜けた幸せが大切だと、佐藤伸治は説いた。

 

転職して仕事も落ち着き、なんとなく未来も見え始めた今、昔を振り返り夢を何一つ叶えられないことに焦って、どうしようもなくて落ち込んだ。

 

そんな俺には、今はフィッシュマンズなのかも知れない。

 

 

少しづつ、感じ方が変わってきているようだ…。